カンヌ国際広告祭PR部門でグランプリを受賞、生活保護受給率60%プエルトリコを変革しようとした銀行の話

Pocket

昨日発表されたカンヌ国際広告祭のPR部門でグランプリを受賞したプロジェクトを紹介します。これぞ、パブリック・リレーションズです!

失業問題は世界各国共通の悩みの種になりつつありますが、カリブ海北東に位置する島プエルトリコの悩みは一層深刻です。国民の多くが働く意欲を失っているからです。人口の60%が政府から生活保護を受けており、福祉に頼って生活するのが日常茶飯事。サルサ「オレは何もしねぇ~≒I do nothing(No Hago Mas Na)」がプエルトリコで空前の超ヒット曲になっているくらいです。

プエルトリコ最大の銀行、ポプラール銀行の成否は、この島の経済に左右されるため、この国の在り方を大きく変えたいと望みました。

1. 問題を発見するための調査

ポプラール銀行はプエルトリコの経済進歩の障害となっている問題を発見するため、すべての年令や階級のプエルトリコ人を対象に調査を行いました。ボトルネックは、「悲観主義」と「仕事への無関心」に集約されることがわかりました。悲観主義と仕事への無関心は、すべてのプエルトリコ人に共通する価値観であり、ポプラール銀行は400万人すべてのプエルトリコ人をターゲットにしたキャンペーンを展開する必要に迫られたのです。

2. 戦略策定とプランニング

プエルトリコ人の堕落の象徴であり、往年のヒット曲「オレは何もしねぇ~」の活用に着眼。福祉で金を得るライフスタイルを誇る男の一日を歌った曲で、世界でもっとも有名なサルサバンド、エルグランコンボの最大のヒット曲のひとつ。エルグランコンボの人気は非常に高く、米紙ニューヨークタイムズが影響力がある文化大使としてローリングストーンズと同列にランクするほど。

国民的サルサバンドのエルグランコンボを説得し、同曲の替え歌を試みました。もちろん、超ポジティブな曲に。怠惰の賛歌が勤労の賛歌に変貌させようとしたのです。

3. 計画の実施と結果

エルグランコンボから島民に重大発表があるとメディアへ伝え、2011年8月16日、エルグランコンボは新曲「Echar Pa’lante」を発表したのです。もちろん、注目度満点のエルグランコンボだけあって、全テレビ局とラジオ局が駆けつけ、この模様を報じました。

これほど定番となっていた曲の歌詞を書き換えるなんて誰も予想していなかったため、プエルトリコ中が完全に不意打ちを食らった格好。そのギャップも話題となる原動力となり、数多くのメディアで報じられ、広告換算は1億8千万(230万ドル)以上に。ラジオ13局のヒットチャートでナンバーワンに輝き、何千回も放送されました。

ポプラール銀行も精力的に活動しました。テレビ、ラジオ、新聞、屋外広告、ウェブサイト広告、ソーシャルネットワークを通じ、この新しい曲をプエルトリコで最も人気のある曲にしようと消費者に協力を求めました。例えば、エルグランコンボのコンサートに無料で6万人を紹介しました。

この替え歌の発起人はポプラール銀行でしたが、100の会社と市民団体がプロジェクトに参画するまでに発展し、記録映画が制作されるまでに。

わずか1年足らずでこの曲はプエルトリコ文化の一部となり、さらにこの曲からポプラール銀行の名前が連想されるようになりました。銀行が特に嫌われている時代にもかかわらず、ポプラール銀行の高感度は記録的な80%に達したそうです。

Pocket

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. […] Evernote。ユーザーは3400万人、140万人が有料とさらに急成長続く http://blog.prtimes.co.jp/yamaguchi/2012/06/cannes_pr-lions/ […]

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>