ドルチェ&ガッバーナによるD&Gのブランド統合報道で、プライシングを再考してみる

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ドルガバのセカンドブランド「D&G」が日本から消えて1ヶ月以上経ちますが、なんとD&Gがこの世から消滅するという観測報道がありました。
Dolce to Fold D&G Brand Into Main Label – The Wall Street Journal(3月7日)

The Wall Street Journalは、関係者の証言として
「イタリアのファッションブランド、ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)は、セカンドラインのD&Gをメインブランドに統合することを予定おり、D&Gラインは無くなるが、ドルチェ&ガッバーナラインは、高価なテイラードコレクションに加えてより低価格のシリーズも展開するべく、価格帯を広げていくだろう。」
と報じています。

ファッションショー

D&Gの最後のランウェイショーは9月に開催され、その後2012年8月にラインは終了する見込み。同社に近しい関係者は、「ライン統合に関して、最終的な決定はまだ下されていない」と警告していますが、ドルチェ&ガッバーナは、小売り提携業者へ通知し始めている。

D&Gは、日本撤退が示すように失敗ブランドかというと、その反対で十分に成功しています。2009年3月期の売上高は7.2億ユーロで、ドルチェ&ガッバーナ全体の収益の45%を占めている。では、なぜ成功してるセカンドブランドを統合する必要があるのか?

共食い状態を是正するため

ファッションブランドは、ドルチェ&ガッバーナのD&Gだけでなく、ヴェルサーチのヴェルサスやダナ・キャランのDKNYのように、幅広い消費者グループを惹きつける手段として、低価格のセカンドラインを長らく展開しています。そして、共通して言えるのは、共食いしないように、スタイルと価格を明確に区別するように細心の注意を払っています。
先月のミラノファッションショーでも、D&Gはアルファベットを使ったカラフルなパターンを遊び心たっぷりに用いる一方で、ドルチェ&ガッバーナはスーツとレースドレスの官能的なアンサンブルを用いて、両者の違いを際立たせていた。

もともと、D&Gは、ZaraやH&Mのようなファストファッションに対抗するために、1993年に庶民的なブランドとして誕生した。D&Gブランド展開のために、本社を新設して、イタリアの工場を2箇所増設し、生産のために300名を新たに雇用した。この1億ドル近くの投資の結果として、D&Gを真逆の方向へと導いた。D&Gの投資を回収するため、価格を値上げしたのだ。そして、D&G単体では成功したものの、ドルチェ&ガッバーナとD&Gに共食いが生じた。

マーケティングの4P、Product(製品)・Price(価格)・Place(流通)・Promotion(プロモーション)は、マーケティングツールとして現代でも鉄板であるものの、Pの重みは時代とともに変化しています。
ドルチェ&ガッバーナとD&Gは明確な製品の違いを注意を払いましたが、価格差の縮小によって、同じセグメントの消費者を奪い合うことになりました。また、社会が成熟することで、コモディティ化が進行する製品群が拡大して、価格競争以外の選択肢を見いだせない事例は、枚挙に暇がありません。

私は、マーケティングの4Pの中でも、プライシングの重要性が高まりを感じますが、この流れに思いっきり逆らってみたいものです。

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